手術後、翌日の朝。
驚くことに、痛みが嘘のように引いていました。
昨晩の肛門の熱や痛み、苦しみは何だったのでしょうか。
峠を越えるとは正にこのことで、地獄の底から天国へ登るのを味わった気分です。
朝の検温も特に異常はなく、点滴を外してもらうことができました。
右手が自由に動かせるようになり気分も上々です。
7:00、朝食の時間になりました。
食事をするため、ベッド( 自動式 )の角度を上げて上体を起こします。
手術を受けてから約20時間、上体を起こせないことが本当に苦痛でしたが、ようやく解放されました。
しかし、痛みが引いたとはいえ、上体を起こすと肛門に負担が掛かるため、油断はできません。
痛くならないような体勢をキープしながら朝食を食べました。
朝食のメニューは、おかゆをメインとした小食でしたが、味わいながら完食できました。
( 写真を撮り忘れたのが残念です )
とても美味しかったことは言うまでもありません。
手術後の回診
松島病院では、手術の翌日から退院するまでの間、毎日( 日曜日除く )回診というものがあります。
回診は、文字通り、医師が1病床毎に患者を診て回る診療で、午前中に行われます。
診察してくださる医師は、毎日違う先生( 日替制 )になります。
上階から順に診ているようで、自分のいる5階の病室は、概ね10:30頃に診ていただくことが多かったです。
手術後、1回目の回診は、女性の医師でした。
診察は、傷口を看るだけなので一瞬で終わります。
先生 「 順調です。 」
先生 「 おしりに付いているチューブを取り除きますね。 」
自分 「 お願いします。( 痛そうだな。。。 ) 」
有り難いことに、剥がれるような感覚はあるものの、まったく痛みはありませんでした。
とても優しい口調の先生で、チューブを取る時も傷口を優しく扱ってくださり感謝です。
尿道カテーテル
食事が終ると、排尿の時間がやってきます。
上体を起こすことは許可されましたが、歩き回ることはまだ禁止なので、排尿は尿瓶へすることになります。
ですが、手術時の下半身麻酔の影響で、自力で排尿することが困難な人は、管を入れて尿を排出しなければなりません。
一昨日の夜、ロビーで患者さんが話していた「 尿道カテーテル 」のことを思い出しました。
看護士さんに尿量を測定してもらうと結構溜まっているようです。
( 自分の感覚では、まだおしっこをしたい感じではありませんでした )
尿量は、膀胱の辺りに機械を当てて測定します。
科学の進歩は凄いな。。。などと感心している場合ではありません。
自力で排尿できなければ、地獄の「 尿道カテーテル 」が待っているのです。
絶対痛いに決まっていますし、何より見られるのが恥ずかしいです。
看護士さんから尿瓶を受け取り、排尿を試みます。
はじめての尿瓶。
病室内の他の患者さんの存在。
迫りくる尿道カテーテルの恐怖。
ただでさえ、排尿しずらい状況なのに出るはずがありません。
結局、30分間粘りましたが排尿できませんでした。
そうこうしているうちに、看護士さんからタイムオーバーを告げられてしまいました。
看護師さんが、医師を連れてきました。
連れてきた医師は、自分の執刀医の先生でした。
かなり気まずく恥ずかしい気持ちになりましたが、仕方ありません。
覚悟を決めて、恐怖を感じながらも尿道へ管を入れていただきました。
管を入れるのに掛かる時間は2~3秒で、無痛ではありませんが我慢できる範囲でした。
尿の排出中は、特に痛みはありません。
管を抜くときにも2~3秒で、こちらも若干の痛みはありますが、我慢できる範囲でした。
「 あれ? 思っているほど痛くなかった。 」というのが感想でした。
インターネット等で調べる限りでは、結構な痛みを伴う人もいるようです。
腕の良い先生に担当していただいたことを本当に感謝しなければなりません。
この先生には、手術内容の解説や術後の診察など、たびたびお世話になりましたが、気さくに話をできる雰囲気を作ってくださるとても好感の持てる先生でした。
( この先生が執刀医で本当に良かったと思っています )
2度目の尿道カテーテル
お昼の時間になりました。
手術翌日のお昼からは、通常食になります。
食物繊維たっぷりの野菜や海産物が中心の食事ですが、味もしっかり付いていてどれも美味しいです。
ちなみにお昼のメニューはこんな感じでした。
食事が終わり、ほっとしているのもつかの間。
また排尿の時間がやってまいりました。
ようやく歩行の許可をもらえたので、トイレへ歩いて行けるようになりました。
しかし、不思議な感覚ですが、頑張って出そうとしてもどうしても出ないのです。
病床へ戻り、また尿量を測ってもうらうと結構溜まっているようです。
この測量機使ってみたいな。。。などと余裕をかましている場合ではありません。
また看護師さんが、医師を連れてきました。
今回は、はじめてお目にかかる男性の先生でした。
覚悟を決めて管を入れていただきました。
「 イッタァ!!! 」。
びっくりした反動で肛門から何かが飛び出しました。
( 飛び出したものが何だったのか、未だに不明です )
決して先生の腕が悪いとは思いませんが、医師との相性のようなものはあるのかもしれません。
結局、自力で排尿を行えるようになったのは、3回目の時でした。
トイレでガッツポーズをしたことは言うまでもありません。
お隣の患者さん
病室は結構な頻度で患者の入れ替えがあります。
自分の病室は5病床ですが、2~3日毎に患者の入れ替えがあり、この日も隣に患者が入院してきました。
このお隣さんは、御歳80になるご年配の方でしたが、とても元気な方でした。
お隣さん 「 手術はどうでしたか。 やはり痛かったですか? 」
自分 「 切れ痔や肛門狭窄で複数か所の手術をしましたが、全然痛くなかったですよ。 」
お隣さん 「 それは大変でしたね。 」
お隣さん 「 私は、イボ痔が2か所あると聞いておりますが、平気そうですかね。 」
自分 「 全然大丈夫です。 手術後に痛くなったら、薬を処方してもらえますし。 」
自分の時は、手術後がかなり辛かったのですが、無駄に不安をあおる話をする必要もないので、心配には及ばない旨をお伝えしました。
不思議なことですが、このお隣さんとは年齢こそ離れていますが、妙に気が合うというか親近感のようなものがありました。
入院 → 手術 → 退院という同じベクトルに向かっていることがそう感じさせたのでしょうか。
深夜、お隣さんは何度もトイレへ駆け込んでいて大変そうでした。
( あとから話を聞いたのですが、夜から深夜に掛け、10回以上トイレへ行っていたそうです )
自分は手術をしてから、1回目の排便がまだ出ていません。
手術という最大の峠は越えていますが、まだしばらくの間は気を抜けない状況が続きます。
【 手術後( 2日目 ) 】へ つづく